2011年12月02日

HKT48第1期生「手をつなぎながら」公演第一印象

2011年11月26日に初日を迎えたHKT48「手をつなぎながら」公演の感想を残しておきます。
ちょっと長いですが、これから見る方への参考になればと思います。
また、当然ですがたくさんある感想のひとつであることにすぎないものと受け止めてください。

●ユニット曲メンバー


「Glory days」(兒玉、中西、若田部。BD:安陪、江藤、谷口、仲西、深川、植木)
「この胸のバーコード」(森保、下野、田中)
「ウィンブルドンへ連れて行って」(本村、宮脇、菅本)
「雨のピアニスト」(松岡、穴井、熊沢)
「チョコの行方」(村重、古森、植木、今田)

●SKE48のファンが初めて感じる気持ち


AKB48は劇場でほとんど見たことがなくSKE48から応援しているSKE48ファンにとっては「手をつなぎながら」公演を初めてほかのグループが演じることに違和感を感じることでしょう。ようやくそういう時代になってきたのだと思います。セットリストが「(いい意味で)枯れてきた」証拠です。

「PARTYが始まるよ」「会いたかった」「青春ガールズ」「誰かのために」「パジャマドライブ」のオリジナル公演を見てきた人にとってチームK、チームB、SKE48、NMB48の公演を見て「何か別の人が脳内に出てくる」という感覚は当たり前のように経験してきたわけですが、ようやくSKEのファンもそういう感覚を体験することになるでしょう。

いつか通る道ではありますが、複雑な気持ちになるのはよくわかります。

overtureが終わって「僕らの風」が始まった瞬間、「どうにも止められないわくわくした気持ち」がチームSにもチームKIIにもありました。それはこれから始まるセットリストがすばらしいものであることがわかってて、ステージ上のメンバーたちがすでに元気に満ち溢れた笑顔でイントロのタンバリンを叩くところで完全に夢の世界が始まるからです。

それはSKE48というグループが好きなのかSKE48個別の誰かが好きなのかは別として、HKT48の「僕らの風」のイントロを初めて見たときには残念ながらそういう感覚を持つことはできなかったです。

それはSKE48の公演ではないのだからある意味仕方のないことです。

でもどうしても頭の中で比較してしまう……こういうことがオリジナル公演を見た人にはいつも起こることですのであまり気にすることもないし、「だからHKT48は自分には合わない」という早急な結論を出さないほうがいいでしょう。

最後のほうでもう一度この感覚について触れることにします。

●HKT48に置かれた環境


AKB48は、地下アイドルが下火になり始めたときに始まった大型グループアイドルプロジェクトで、「絶対に成功しない」とかアイドルファンから叩かれた状態からスタートしているので、そう簡単には折れたりしない開拓者の強さがあります。

SKE48は「名古屋で芸能は長続きしない」と言われ続けた中でスタートしたプロジェクト。ファンの総数も少なかったため、盛り上がっていくまでに時間がかかるものと思われたものの、ダンスパフォーマンスの高さを武器にして、「手をつなぎながら」というセットリストをもらったことで一気に加速していったグループ。1期生には負けず嫌いなメンバーが揃っていたのが功を奏した部分もあるでしょう。

NMB48は「大阪でアイドルが成功した試しがない」と言われた中で、地元媒体を活用し、劇場設備も整え、最もアイドルっぽい展開をしながら関西DNAを活かしたトークやバラエティ対応能力を武器に躍進し続けているグループ。まだ全国区とは言わないまでも関西地区では抜群の知名度があるグループに育ってきています。

そんな中でのHKT48。地元ではグループアイドル界隈の動きもすでにあるし、「絶対にうまくいかない」というマイナスなジンクスもないため、果たしてスムーズに行くのかどうなのか……アイドルが好きなファンの人数が果たしてどのぐらいいるのか、劇場に何度も足を運んでくれるファンがどのぐらいいるのか、など気になる点はいくつかありますが、スタートの時点での環境は今までで一番であることは間違いないでしょう。

●HKT48にどんなカラーがあるか


さて、今回のセットリストのオリジナルがSKE48なだけにSKE48を軸にしてHKT48のカラーを考えてみたいと思います。

SKE48にあってHKT48にないものは、やはりダンスパフォーマンス力だと思います。初日ゲネ、初日公演においてはまだ「振り付けの表面をなぞっている」ように見えてしまい、自分の振りになっていないようでした。揃っていないとか、動きにキレがないとか以前の問題です。

ただ、HKT48にSKE48と同じものを求める必要はないように感じました。そのレベルまで上げてほしいとは言わないですが、セットリストや歌詞、振り付けにはそれぞれ意味と歴史があるので、それをある程度ふまえた上でステージをしていってもらいたいとは思います。

NMB48が「ライダー」や「転がる石になれ」を、最初はどうにも評価できないものから、公演回数を重ね、曲の歴史を理解し、自分たちなりの解釈やカラーを付加していったようにHKT48もHKT48らしい「手をつなぎながら」を作り上げていってもらいたいものだと思います。

実はそういう意味ではHKT48は「らしさ」を出せる最も近い位置にいるのかもしれません。

正直私もびっくりしたのですが、すごく違和感があるものとばかり思ってたんですが、多くの曲がSKEとは違うものになっていました。チームSともチームKIIとも違うHKT48の「手をつなぎながら」公演だったと認めざるをえません。

それは衣装のせいかもしれないですし、劇場設備なのかもしれないし、「手をつなぎながら」のセットリスト自体が本人たちを引っ張り上げてくれているのかもしれないです。

まず感じたのは「フレッシュさ」です。

「そんなのどこでもフレッシュだろ」とツッコミが入るでしょうから、それでは伝わらないので第一印象の例を引き合いに出します。

AKB48第一期生……なんだかわからないが一生懸命やってる
SKE48第一期生……とにかく手抜きせずに汗だくでやっている
NMB48第一期生……もう完成されたアイドルみたい(ある意味育て甲斐がない)
AKB48初の研究生公演……おもしろい子はいそう
AKB48・9期生……次世代AKBを引っ張っていく可能性(→後にチーム4の主力)
AKB48・12期生お披露目……将来楽しみな子がいっぱいいる
SKE48第二期生……若い子が多い
SKE48第三期生……即戦力が多い(と思ったらどんどんチーム入り)
SKE48第四期生……SKEのカラーはあるけどチームにしちゃって良かったのかなぁ…。(※今はまとまりが出てきましたが)
NMB48第二期生……踊れないけどなんだか楽しい(※今は踊れてます)

この中で「フレッシュさ」を感じたのはAKBの12期生とNMBの2期生です。1期生ではHKTが初めて。初めて見て若ければ「フレッシュ」なわけではなくて、「よくわからないけど何かやってくれそうな感じ」のフレッシュさを感じたのはこれが初めてに近いです。

この「よくわからないけど」というところが重要で、その部分こそが劇場公演を通してファンに見つけてもらって育ててもらう部分かなと思います。そういった意味ではHKT48は「育てがい」のあるグループで、初期のAKB48とほんの少し雰囲気が似ている感じがしました。

劇場が広いのと、NMB48みたいに大々的なメディア展開をしていないので、地元の人は結構公演に何度も足を運べるのではないかと思っています。

●フォーメーションとMC


全体曲では兒玉遥さんと松岡菜摘さんが中心的なポジションにいます。
兒玉さんは松井珠理奈さん的なポジションにいることが多いです。
松岡さんはルックス的には柏木由紀さんの系統です。

ダンスそのものについては突出して上手い人はいないかわりに初日メンバーに選ばれなかった人の何人かはまだ踊れていない印象を受けました。

MCについてはみんなすごくしゃべりたがっているのは伝わってきているのですが、誰が仕切るわけでもなく、人の話を聞きながら話題をふくらませるわけでもなく、ちょっと内輪受けみたいな話が多かったので、そのあたりはもう少し話し合って必要なら自分たちで台本を書くなどの工夫は必要かと思います。

意外と判別はつきやすいので、より個性がわかりやすいMCをしてもらえると良いかと思います。

ユニット曲では「Glory days」は結構いい感じに仕上がりそう。「この胸のバーコード」はリズムの「溜め」がちょっと足りない状況。「ウィンブルドン」は時空を超えたスーパーアイドルの予感、「雨のピアニスト」は歌はいけそうだけど、踊りがまだまな状態、「チョコの行方」はすでにHKTらしさが出てきている状態です。

●個別第一印象


これから見る方にはあんまり以下のところは参考にされないほうがいいと思います。あくまでも私がステージで見た印象です。

穴井千尋……おでこ出して髪を編んだことで見た目の個性が出てきました。シャープな印象でダンスの切れがあります。
安陪恭加……初日メンバーには選ばれなかったですが、バックダンサーとしての存在感は出ていたし、笑顔も良かったです。
今田美奈……身長の高さを活かした動きで目立てる可能性は十分あり。
植木南央……ルックスが山本彩さんに似ていることから覚えられやすい側面がありそう。
江藤彩也香……ファンの前評判は高く、ルックス的な潜在的パワーはあります。踊りもそんなに悪くないです。
熊沢世莉奈……髪型が個性的だから覚えやすい。ニックネームも「せりーぬ」で覚えやすいことでかなり得をしている印象です。
兒玉遥……いわゆる「推され」メンで、おでこ全開で元気はつらつな感じ。ただアイドル好きな男性からは受けるかどうかは今のところ微妙な感じです。
古森結衣……本人がアイドルが大好きということで、結構客席に目線を配っているという「釣り情報」が飛び交っています。
下野由貴……一生懸命になると顔がくしゃくしゃになるところが魅力。
菅本裕子……「ゆうこす」というニックネームは覚えやすいこと、最年長というハンデ(?)を利用できるし、ウィンブルドンの黄色だし、バストが大きいこともファンにとってはうれしい要素です。
田中菜津美……最年少2000年生まれの小5で身長が163cm。それだけですぐ覚えられます。今のところは歌とダンスが好きな小学生ですが、どう変わっていくかはまだわからないです。
谷口愛理……アイドルっぽいルックスは完璧。ただし今はバックダンサーの踊りもちゃんとできないので頑張ってほしいところ。
仲西彩佳……ファンの前評判は高かったんですが、彼女も比較すると踊れていないので猛練習すればおのずと道は開けるはず。
中西智代梨……動きは機敏でわりと重要なポジションにいるのですが、存在感はまだ薄い感じです。
深川舞子……ルックス面では判別はつけやすいので、あとはステージ踏んでみてからです。
松岡菜摘……中3にしては大人びたルックスの持ち主です。あまり前知識がないアイドルファンが見るとたぶん彼女に目が行くでしょう。ウエストが強烈に細いです。
宮脇咲良……ウィンブルドンの青。中学2年生ですがすでに完成されたアイドルのルックスをしています。これからどういうキャラを出していくのか楽しみ。
村重杏奈……ロシア人ハーフということもあり人を引き寄せる魅力はすごく持っています。トークもおもしろくなりそう。
本村碧唯……ウィンブルドンのピンク。アイドル的ルックスを持ったうえで角度やシチュエーションによっていろんな表情を見せてくれるのでとても楽しみな存在です。
森保まどか……おっとりしてると言ってましたが、ボケキャラとしても活躍できそうな気がしています。
若田部遥……最初見たときから比べると超絶美人になってきてます。中1でこのぐらいの美少女はなかなかいないかもしれないです。

「ウィンブルドンに連れて行って」は最初に見た高井つき奈、矢神久美、森紗雪という中学生コンビが最強だっただけに、なかなかそれを超えられるものを見ることができなかったのですが、ようやくHKT48のウィンブルドンのメンバーは歌詞の世界をうまく表現してくれるユニットのような気がして震えました。一度谷口さんを入れて、本村・宮脇・谷口3人のウィンブルドンが見てみたいと思いました。

●ゲネと本番の間に何があったのか!?


ゲネが終わり、本番が始まったとき、何人かは明らかにかわいくなっていました。
その変わりっぷりに正直驚きました。

ゲネと本番の間に何があったのでしょう。
今までゲネと本番で、本番のほうが動きやMCは良くなったというのは何度も見ていますが、かわいくなったというのは経験にありません。
両方見た人も同じようなことを言っていたので私一人だけの感想ではないつもりです。
一汗かいて力が抜けてリラックスしてできたのが良かったのでしょうか。

しかもフレッシュさはゲネ以上。
なんだこれ。
結構戸惑いました。

そのあたりにHKT48らしさが隠れているような気がします。

それが何なのかはそれぞれ劇場に行って確認していただきたいし、「らしさ」を地元ファンが育てていってほしいなと思いました。

●セットリストを嫁に出す親の心境


アンコールの「ロープの友情」「火曜日の夜、水曜日の朝」を見ていたときにふと思ったことがあります。

この2曲に関してはまだHKT48らしさのようなものが見つからなかったのですが、それまでの本編を見ている限り、そのうちHKTらしい「手をつなぎながら」公演になっていくだろうと確信しました。

SKE48が「手をつなぎながら」という最高のセットリストをもらった日から興奮が止まらず、何度もSKE48劇場に足を運び、それがKIIになっても別の輝きを放ちながらSKE48のカラーを保っていたのを見てきた私にとってはとても思い入れのあるセットリストです。

いつかはそのセットリストはチームEやSKE48の研究生公演に引き継がれるものだと思っていました。それがHKT48で使われることになるとは正直予想ができませんでした。

見せどころのあるセットリストだけに、SKE48以外のカラーを持ったグループがやるとどうなるのだろうかという期待と、やっぱりSKEのものだからあんまり他のグループでやられるのはどうなのかという葛藤が私の中で正直ありました。

でも、目の前で演じられている「手をつなぎながら」は明らかにSKE48とは違うものであり、すでにHKT48らしきものも出てきているものでした。セットリストが神なのでしょうがないと言えばしょうがないです。

HKT48の「手をつなぎながら」を見るとチームE、SKE研究生がやるよりは新鮮味があるし、曲に対する違った解釈もできたわけだから、より肯定的な評価になったのも良かった気がするのです。

一方で目の前にいるメンバーはチームSでもなく、チームKIIのメンバーでもない。いつも脳裏に焼きついていたあのメンバーのあのダンスとあの笑顔……ではないことはわかっているつもりなのになぜか淋しい気持ちになってしまう。

なんだろう、この切ない気持ち。
実は感情は少ししか動いてなくて、アンコールのとき、ただ身体から涙が出てくるという不思議な体験をしました。

今から思い起こしてみるとあの涙はうれしい、悲しいでなく、たぶん「さびしい」「わびしい」気持ちなんだろうと思います。

手塩にかけて育てた「手をつなぎながら」というセットリストを【娘】にたとえると、その娘を嫁に出した父親のような気持ちだったんじゃないかなと思います。その気持ち、SKEが大好きでたまらないファンの方にはわかっていただけるのではないかと思います。

「遠くにいても」を見て、聞いていると、もうこの曲がSKEの曲じゃなくなってきている気がしてきて……そんな淋しい気持ちと、目の前でフレッシュに踊っているHKT48の喜ばしい誕生、そのフレッシュさが続きそうな気がして高まっていく気持ちとが混ざり合った初日公演でした。

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posted at 20:45│コメント(3)HKT48 

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この記事へのコメント

1. Posted by 印璽   2011年12月03日 02:39
セットリストもユニット曲も48プロジェクト全体の共有物です。どこかのチームやメンバーの所有物ではありませんね。自分の元から飛び去っていく物寂しさを感じるのは当たり前ですが、チーム・メンバー・年月が変わっていることを上手く受け入れられない人は、ステージ上の全てに納得できないでしょうね。

団体発足の歴史が浅いからこそ、再演のたび脳と心で葛藤が生まれる。オリジナルを思い起こしてしまうのは、初めての恋人と過ごした時間をいつでも基軸にして行動するようなもの。

メンバーの「夢への道程と成長過程」を見守りたいのならば、今現在、ステージ上でパフォーマンスをしているメンバーの時間軸を意識して見届けましょう。
2. Posted by 昭和万歳   2011年12月05日 21:51
いいんですよ。
歌い手が変われば、その曲に新たな解釈・表現が生まれるのですから。もっと言うと「もう一つの命が宿った」と言うことでしょうか。

そして編集長はその新しい命に感動したということですよ。察するに。

TeamS、TeamK2、そしてHKTとそれぞれに「手をつなぎながら」に息吹を吹き込んだわけで、どれがいいとか悪いとかでもないんで技術的な比較はある程度可能ですが、精神面での比較はできないので避けるべきでしょう。

だから、今回のレポートはここ最近で一番共感できるものがあります。
3. Posted by ヤン   2012年01月06日 02:22
ちょっと時間が経っていますが、デビューからちょうど一ヶ月の12月26日の公演を観に行ってきました。
HKT48の公演を観るのは初めてで、あえて予習もせずにメンバーのプロフィールはほとんど知らないままの状態での観戦でした。

一ヶ月経っていてある程度の情報が耳に入っていたからかどうか分かりませんが、編集長がよく言われるオリジナルの亡霊は過去のリバイバル公演の時ほど現れませんでした。
うまく表現できないのですが、ダンスや表情の荒削りな部分よりも一生懸命さの方が目についたんですね。

ダンスもMCもぐちゃぐちゃ(笑)でしたが曲間では立っているのもやっと、ステージ上に汗がボタボタと落ちている状態で、一生懸命さがとても伝わってきました。

SKEのメンバーは技術レベルがある程度まで到達していて、こういう事態にはまずならないのでとても新鮮でした。

HKT48が始まったばかりだからというのもあるんでしょうが、プロジェクト初期の頃の「この娘たちはどう成長していくんだろう」というワクワクを感じた公演でした。

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