2011年05月01日

震災以降のTwitterをめぐる体験

今回は非常に個人的な話です。しかも自分とメディアに関する体験と思考にまつわる話ですので、アイドルの話は最後のほうにしか出てきません。あまり意味があるわけではないので適当に読み飛ばしていただければと思います。

2011年3月9日に「最終ベルが鳴るその前に、今こそTwitterを始めよう」というエントリーを残しました。そこでは私のTwitter体験とメディアとしてのTwitterがもたらす衝撃について書いたつもりです。

そしてその2日後に東日本大震災が起きました。

震災をどのように感じたのかは人それぞれですが、Twitterのタイムラインを通した体験は、ひょっとしたらTwitterを利用していない人と比べるとかなり違ったものになっていたのではないかと想像しています。

もちろん、被災した当事者の方は電波や電気などの障害がありますから、Twitterを利用できたかどうかはわかりませんが、大きな被害を被っていない人にとってはTwitterのタイムラインはかなりの面で自分のことのように感じたのではないかと思っています。

今回の震災の経験を通してインターネット上でデマかどうかについて見極める能力が問われたと思いますし、被災している方たちに向けて何か思いや行動を起こさせるきっかけをTwitter上で作られたこともあったように感じます。

私自身がTwitter自体の持つ力についてまだよくわかっていない時期に今回の震災が起きたのですが、そのリアルタイム性と伝播力についてとてもいい経験をさせてもらったように思います。

人によってそれはまちまちですが、私にとってはいろんな意味で震災前と震災後は明らかに自分とメディアに関する取り組み方が変わってきたのです。

★情報の流れる場所としてのTwitterというメディア


Twitterという仕組みは単に人々の短いつぶやきを集積したもので、それをどう活用するかについては人それぞれです。

情報を仕入れるツールとして活用している人が多そうですが、もちろんそれだけでなく、自分の思考をまとめるためのアイデアとして使ったり、ただ単に意味のないつぶやきをするツールとして使ったりとそれは本当に人それぞれです。

私自身、少しずつフォロワーが増えていくにしたがってTwitterの「メディアとしての側面」について考えるようになり、その伝播力(あるいは影響力)について考えながらツイートするようになってきています。

それは個人レベルの話ではありますが、震災以降、しばらく取材活動を行わなくなったことでそれまでと考え方が変わったことがあります。

具体的に言うと、「自分のメディア(スクランブルエッグ)で独自な取材記事を載せることにこだわるのではなく、Twitterを通して情報の交通整理をすることでメディア(スクランブルエッグ編集長のTwitter)としての役割を果たせるのではないか」という考え方にシフトできるようになったのです。

スクランブルエッグというメディアは本当に小さい小さいメディアですので、大手の新聞社、テレビ局、ニュースサイトを謳っているウェブサイトに比べれば掲載できる情報量が少ないですし、大手メディアのように豊富にリリースが流れてきません。

そんなことはわかりきっているはずなのに、何年か前までは大手サイトに対抗すべくスピードや情報量について戦ってきたこともありました。

ところが震災後の経験と思考を通して、スピードにこだわることの必然性は放棄することができました。その考えに至ったのは、自分のメディアによる独自の取材記事を優先するよりも、もっとスピードのあるそれなりに信頼できるサイトの記事への案内(リンク)をTwitterで提供することがユーザ(フォロワー)のためになると思ったからです。

今、私がTwitterでつぶやいていることはAKB48、SKE48、NMB48のオフィシャルに近い情報、48プロジェクトについての個人的なつぶやき、ネット番組、テレビ番組に関する実況などが多いですが、フォロワーが増えるタイミングが多いのは実況(速報含む)をしたときです。

たぶんそれこそがユーザ(フォロワー)が求めているのでしょう。こればかりはどんな大手メディアの記事よりも早く配信することができます。生でしか見られないライブ配信、コンサートやライブ終了直後の報告などの生々しい情報や感想はTwitterというメディアならではだと思っています。

はたして今後Twitterが社会にとってどのような役割を果たしていくのかはわからないですが、Twitter前、Twitter後という図式が私の中で震災前、震災後というのとシンクロして「前には戻れない」状況になってきています。

★Twitterのアカウントがメディアそのものになるとき


たとえば10万人以上のフォロワーを持っている人がいたとしたら、それはすでにひとつの大きなメディアを個人で持っているのと同じことだと思っています。

Twitterの利用もフォローも無料のサービスですので、有料の既存メディアと比べること自体に無理がありますが、今、実売10万部を発行できるような雑誌はごく一部です。それよりは個人のTwitterのほうが影響力があるのかもしれません。

たとえばAKB48の篠田麻里子さんは約45万人、小嶋陽菜さん、板野友美さんは約35万人のフォロワーがいます(2011年4月30日現在)。これはとてつもない数字です。私が尊敬しているメディアジャーナリストでTwitterに関して多くの著述をされている津田大介さん(@tsuda)でさえ17万人です(孫正義さんが110万人、堀江貴文さんが70万人)。

10万人を超えるボリュームがあれば社会に影響力を与えることができる。それをリツイートという方法でさらに情報や思考を伝播することができます。そうなれば個人がマスメディアを持っているのに近い影響力を及ぼす可能性だってあるのです。

「スクランブルエッグ編集長」というアカウントはたかが800人弱のフォロワーしかいませんが、そのボリュームでも情報のやりとり、思考のやりとりができるものだと思っています。従来のWebサイトユーザだけでなく別種類の多くのファンを呼び込むこともできます。

Twitterはこれからも情報取得ツールとして、あるいは思考のソーシャル化、情報の透明性を果たす意味で今まで以上に大きな役割を果たすことになるでしょう。私自身はかなり遅れて参加したわけですが、震災を機に一気に「生活になくてはならないもの」になりました。これを企業や芸能事務所の情報発信ツールとして活用しないなんて考えられないと思うようになってきました。

★根岸愛に学ぶアイドルのツイート技法


さて、これまでは個人の体験ですが、最後に私が最も心を揺さぶられるつぶやきをするアイドルを紹介したいと思います。

それは5月4日にメジャーデビューする「ぱすぽ☆」のキャプテン、根岸愛さん(@negishiai)です。

彼女のツイートの何がすばらしいかというと、まず今の状況をつぶやき、次にフォロワーに何らかの問いかけをし、問いかけの返事が返ってくるかこないかのタイミングで自身の前のツイートの対して自問自答したり妄想を広げさせるようなつぶやきをし、いつの間にか自分で結論らしいものを出して終了するという、鮮やかとしかいえない一連のツイートをするからです。

それはフォローしてみないとわからないでしょうが、その発想力、展開力、そしてファンを引きつける問いかけなど、今までに見たことのないようなコミュニケーション力を持っているのです。ヲタ用語で言うならば「釣り」がうますぎるとも言えるのですが、そこに狙ったものがあるようでもなく、彼女のツイートが始まった途端、15分ぐらいのワンマンショー(ファンの返信含め)に酔いしれてしまうのです。

すべてのアイドルは彼女のツイートを参考にしてもらいたいぐらいの面白いものです。この機会によろしければフォローしてみてください。きっと彼女の魅力にはまることでしょう。

ということでとりとめのない話になってしまいましたが、TwitterはそれまでのWebサイトの形態(サイト、ブログ、掲示板、SNS)とは違った情報の流れ方をする(体験をしたことのない人には)未体験の「メディア」ですので、前回も述べましたが時代遅れの情報弱者にならないようにいろんな立場から活用することをおすすめしたいです。

Twitter社会論 ~新たなリアルタイム・ウェブの潮流 (新書y)
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少女飛行
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posted at 05:20│コメント(1)メディア論 

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この記事へのコメント

1. Posted by 多田   2011年05月02日 02:02
4 実際に帰省中、被災した自分はツイッターで身の回りの細かい情報、住んでいる場所の情報収集にとても役立った。
正直、震災時は福島にいたんですが(笑)原発に詳しい教授のツイートもなかなかためになった。

今までツイッターは好きなタレント、芸人のツイートをごくごく稀に見るだけだったのに震災時はツイッターを情報収集にフル活用して今では様々な著名人をフォローして毎日ツイッターを見るようになりました。
ツイッターの本質がちょっとわかった気がしましたね。

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