2009年06月08日

「フレッシュ」という便利な言葉

このタイトルでピンと来る人はAKB48のファンと言えるでしょう。

もともとグループアイドルファンというのはDD(誰でも大好き)的気質を持っていますから、基本、目移りしやすいものです(DDという概念と用語は90年代前半から存在しています)。

ですから、グループに新メンバーが入ってくると、まずはそのメンバーをチェックして、その中から気になったメンバーが自分の中で何番目に好きなのかを判定する行動に出ます。

すぐ結果が出る場合もあれば、時間がかかって迷った末に順位が決まる場合もあるでしょう。

そうやってファンそれぞれの【一推し】【推し順】が決まっていきます。

今は、ファンにとって都合のよい【神推し】という言葉があるらしく、それまで一推しだったメンバーを“神”に祀り上げて【神推し】としたうえで、実質的に一推しを変更してしまうらしいです。

その一推しメンバーを変えることを最近では「推し替え」「推し変」とか言うらしく、新しい言葉は生まれつつも、やってることは私がファン生活(?)をしていた18年ぐらい前と本質的には変わってません。

それが言ってみれば【ファンの論理】みたいなものです。

今考えればとても女性に対して失礼なことだとは思いますけどね。

実現するかどうかは別として、あわよくばアイドルとつきあいたいとか、そこまでいかなくてもプライベートで連絡が取り合える関係になりたいと思っている人は女性の心理を理解しないといけないです。

そんな大それたことを考えなくても、顔や名前を覚えてもらおうと考えているファン(今は“認知厨”というらしいですが)は女性の心を傷つけないように注意しないといけないのです。

女性の側の論理といいますと、女の子は常に「私のことだけを見てほしい」「それが無理なら私を一番に見てほしい」と思う生き物です。これはアイドル以前の問題です。

多くのアイドルファンはそういった女性ならではの心理をわかっていないことが多く、平気で一推しメンバーを変更するから、ときにやっかいな問題が起きることがあります。

まあ、“やっかい”と思っているのはファンの側だけですから、しょせん自意識過剰なKY野郎なだけのことですけどね。

「アイドル以前の」というのはとても重要なことで、メンバーから認知されているファンが「推し変」するということが、一女性である(元推され)メンバーをどれだけ残念な気持ちにさせるかを結局のところ理解できないから、そういうことができちゃうんだろうと思います。

かくいう私もファン生活(?)時代に痛い目に遭っているからここで言えるわけで、15年以上経った今でも当時のアイドルから「○○さんは○○ファンから○○ファンになったんだよね」とかいう嫌味を言われるわけなんです。今となってはそういう関係性を築けていたというのはちょっと自慢できるかもしれないですけど、当時のアイドルの前では私は一ファンの心に戻ってしまうので、正直、心穏やかではありませんし後悔の念でいっぱいです。

ですから、メンバーから認知されていて“推し変”するファンの方はくれぐれも女性の心理をわかってあげてください。これは笑い事じゃないですよ。


グループアイドルの側は、最初は少ないファンの中から自分を一番に選んでくれたことをとてもうれしく思い、その期待に応えようと一生懸命サービスします。しかし、ある日突然、手紙か何かで「今日から○○ちゃんのファンになります。ごめんなさい」と、信頼していたはずのファンから裏切りともいえる通告をされます。

なんて悲しいことでしょう。アイドルとはいえ、女の子の気持ちをもてあそんじゃいけないんですよ。

グループアイドルのメンバーはそういう経験を積みながら、“ファン”というものの理想と現実に直面して、ある意味“プロ”として成長していきます。「アイドルになりたい女の子」から「職業としてのアイドル」に変わっていく瞬間なのかもしれません。

AKB48卒業生の大島麻衣ちゃんが『ごきげんよう』で「ファンは誰でも好きすぎる」「自分が2推しという人が多かった」と言ったように、彼女も今だから言えるけど、ファンの気質についてある意味、あっけらかんと正直に言えるタレントさんになったのです。

すげー長い前置きですみません。これからが本題です。

プロのアイドルになりかけたAKB48のメンバーがファンの“推し変”を経験し、次にすべきことは何かというと、自分を磨いて同じことを繰り返さないようにすることと、推し変されてしまうことを正当化させる理論を作ることです。

その正当化理論のひとつが「フレッシュ」という言葉です。

私が記憶している範囲では峯岸みなみさんが最も最初に頻繁に「フレッシュ」という言葉を使っていましたが、実際はどうかは知りません。

みぃちゃん一人で言ってる分には良かったけど、チームBや、研究生からチーム入りしたメンバーも「フレッシュ」という言葉を使うようになったことに私にはかなりの違和感があります。

それは私だけでなく、スタッフやメディア関係者からも同じようなことを聞いています。

「ファンは移り気だから新鮮なメンバーに目がいく」
 ↓
「それはいたし方のないこと」
 ↓
「仕方ないので、新しく入ったメンバーのことを“フレッシュ”という表現をしよう」


と半ば、自虐的な意味合いも含め、「心に移りゆくよしなしごとを、そこはかとなく」言ってるんだと思いますよ。そういう意味ではみぃちゃんはエッセイストのセンスはあると思いますが(笑)。

「自分にもそういう時期があって、今、注目されている“フレッシュ”と言われてる子たちがたまたまそういう時期で、それがまた時代とともに移り変わっていく」んなら、そういう使い方はありでしょうけど、私のファン生活の経験上、必ずしもそうじゃないです。

だから「フレッシュ」という言葉を免罪符のようにして経験間もないメンバーについて語ってほしくないんですよ。

言っておきますが、これは峯岸さん批判ではありません。“フレッシュ”という単語がひとり歩きしている現状がAKB48の成長を妨げているのではないか、と危惧しているのです。

つい先日、AKB48劇場で行われたSKE48の公演を見た感想を「フレッシュ」という言葉で終わらせてほしくないんです。SKE48に何があるのか、今のAKB48にとってプラスになることは何なのか、ということを公演を見たメンバーは考えてほしいんですね。

それを「フレッシュ」だけで語るにはあまりにももったいないんです。比べる必要はないですが、学ぶところはあるはずで、SKE48を見たAKB48のファンはすでにそれに気づいていたりするのですから、AKB48のメンバーはファンの気持ちの変化に応えてあげなきゃいけなくなってきてるんです。

同じぐらいの年の子が、あとから活動しただけで、それを「フレッシュでした」と片づけてしまうということは、あまりに自分自身が中身がなくて、もはや自分は賞味期限切れですと言ってるみたいで悲しくなるんですよね。

メンバーが「フレッシュ」という言葉を使うたびに「自分はフレッシュではない」と言ってるみたいに聞こえてしまうんです。ファンや他のメンバーから「いや、○○ちゃんはフレッシュだから大丈夫」とでも言ってもらいたいんでしょうか。

そんなことを言ってる場合じゃないです。今、自分が自分の夢に近づくために何をしなければならないのかを考えている「プロになりかけのアイドル」がやるべきことは、自分の決め手(特技・アピールポイント)を磨くことではないでしょうか。

ファンの気持ちをつかむこともとても大切です。総選挙も控えていることですし。でも何がファンの心を動かすかって、まずはあきらめずに一生懸命やること、ですよ。次は自分を支えてくれる人(スタッフもファンも)に感謝の気持ちを持って接することですよ。

先週末のSKE48のAKB48劇場の公演を見て思ったのは、SKE48のメンバーは「まだ何もあきらめてない」ということです。AKB48のメンバーの一部がある種のあきらめがあるとは思いたくもありません。SKE48にも時間を重ねれば変わってくることもあるでしょう。それは時間のせいなのか、土地柄のせいなのかは今の時点では何も言えません。

SKE48がAKB48と同じような運命をたどるのか、はたまた全く別の結果になるのは今は誰も知ることができません。もちろん秋元康プロデューサーですらわからないことです。

それはメンバーであり、ファンであり、運営であるのでしょうが、AKB48であれSKE48であれ、ファンの心を打つもの、秋元康さんの言葉を借りれば「刺さる」ものだけが生き残ることだけは間違いないのです。

AKB48というブランドを借りているうちはまわりからちやほやされますが、いずれソロとして活動せざるを得ないんですから、そうなったときに自分に何ができるのかをいつかは考えなきゃいけないんだろうと思います。中学生世代にそんなことを求めるのは酷なのかもしれないですが、1年以上活動していればこの世界のことがわかってきますので、どうかそんな簡単にあきらめの気持ちを持ってもらいたくない、というのが今の私からメンバーの方たちに言えることなのかな、と思います。

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posted at 23:37│コメント(4)AKB48 | アイドル論

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この記事へのコメント

1. Posted by 満セル   2009年06月09日 20:46
SMAPとかTOKIOとか嵐とかはメンバーチェンジもなく何年もやってるけど、女性アイドルは無理ですね。男のアイドルオタクはロリコンで飽きっぽいから。こういう連中を相手にしなければいけないアイドルに同情します。
2. Posted by 面樽   2009年06月11日 10:03
5 すごい共感出来ました。アイドルってのは大変だし難しいものですね
3. Posted by ピーナッツ   2009年07月20日 09:17
「フレッシユ」…、そうだよな…、共感しました。
それと、ファン気質みたいなものについても、チョット考えさせられる部分がありました。
僕は、偶然行ったAKB劇場、何の知識もなく観た公演で、終演後、なっちゃんが、気になって気になって仕方なくなり、その後、どうしたかというと、他のチームA,K,研究生、もう一回チームB…、半年ぐらいかけて全部、全員観たけど、なっちゃん以上に"ビビッ"っとくる子は、いなかった。はるごんやたかみなチャン…、"この子いい子だなぁ"って子は、いるけど…。チャンピオンと1位の違いを確認したかったわけでもないし…? そこで、僕は、なっちゃんが、心に入ってきた日、何を考えていたのかを思い出すことにしたんだ。
突然ですが、僕は、ウッチャンナンチャンの特にウッチャンのファン。もう20年以上になる。ちょうど、ウッチャンの舞台を2本観たところで…、ウッチャンが、将来、自分の娘役について、語っていて、その人物像について、僕は、いつも頭の中で探していた。ウッチャンが、そういう事を話すのは、非常に珍しい事、自分に子供が出来るあのタイミングだから、あんなに語ったのか?定かではないけど…、とにかく、そんな状態…。そして、あの日…。"いた〜!"…、大声で叫んだよ。人から聞いた理想の人物像を、実際に目の前に見つけると、物凄くビックリする。そんなこんなで、なっちゃんが特別な人になった。
僕は、「推し」「DD」…、よくわかりません。が、僕の今の願いは、ただ一つ。それは、ウッチャンが、誰かに連れられて、チームBの公演に来ること。 きっと、ウッチャンも、ビックリすると思う。
4. Posted by ren   2010年09月09日 02:50
推し変とか言葉が言われてるけど、アイドルは人であると同時に自分自身を商品として売り出してるわけで。そりゃ身近に付き合うなら問題があるけど、実際、アイドルと付き合うわけではないファンにそこまで求める方が問題だと思うのですが。

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